NO END SUMMER

NO END SUMMER

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浜田金吾

2017-06-07

黒のバックに写真用の現像液を入れる赤いトレイ、そこには彼のモノクロ写真が一枚…。シャープなコントラストのジャケットがパッと目を惹く、通算5枚目。松下誠をはじめ、佐藤博や鈴木茂、林立夫といった名うての凄腕ミュージシャンたちのアーバナイズされた演奏。一度聴いたら忘れられない、スタンダードのように染み渡ってくるメロディ。優しく乾いたその歌声。すべてが絶妙に絡み合ったその瞬間、素晴らしきKingo Soundが昇り立つ。ズバリ、シンガー、メロディメイカー、そしてサウンド・クリエイターとしての魅力が集約された、彼の代表アルバムと言い切ってしまおう。

シングル・カットのA①は、映画化になったフィッツジェラルドの名作「華麗なるギャツビー」を連想させる、別離のシーンを歌ったポップ・ナンバー。けれど、ウェット感は全然なく、その軽快なメロディはまばゆい輝きを放ち、鮮烈な印象を与えてくれる。水面がキラキラと輝くようなウインドチャイムの音だけでひと夏のシーンが目に浮かぶ、スタイリッシュなリゾート・チューンA②。ホーン・セクションをフィーチャーしたアーバン・グルーヴA③は、雨の中の別れを歌った切ない曲。共にアレンジは佐藤博の手によるもの。そして、どアタマのコーラスからグイグイっと引き込まれるB①。煌めく都会のネオンの下で繰り広げられる刹那的な愛のワンシーン。こんなビターな恋愛模様をクールに歌ってのける彼の声が、日常に疲弊した心のひだの奥底までじわんと染みてくるよう…。(えこりん・まつい)

 

& 【NO END SUMMER’S CHOICE】

◯B➅ GOOD LUCK CITY ROMANCE / ◎B⑧ INK-BLUE NO YOAKE