NO END SUMMER

NO END SUMMER

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Platinum900

2016-09-01

スティービーへのオマージュを前面に押し出したジャケからして期待せずにはいられない、遅れてきた渋谷系バンドによる最初で最後のフルアルバム。太いベースラインにカッティングが乗り、オルガンが入ったと思ったら更にホーン隊までと、悪くなる要素がないファンキーなオープニングチューン○①「天国と地獄」少し鼻にかかった坂田直子のボーカルもメロディとアレンジの秀逸さにそれほど気にならなくなる不思議。一転してストリングスがメロウ具合に拍車をかける○②「眩しいフォトグラフ」、そこはかとなくラムゼイルイス臭が漂うカッティングから始まる④「夜明け前」はローズとトランペットの絡みに太陽の女神も少し切なさげ。

カウントから入りベースラインで引っ張るクソかっこいいジャズファンク◎⑦「Say What?」炸裂するホーンセクション!煌びやかなフェンダーローズ!歌いまくるギター!そしてハイハットが気持ち良すぎるドラムはなんと、あの、Bernard  “pretty” Purdie!!と言ってもサンプリングだけど。続く⑧「Cry, baby cry」ではガラッと変わってストリングスに寄り添いながらデュエットでしっとりと。ギターソロが何故か元スペクトラムの西慎嗣だったりするのは前作までプロデュースを担当していた中村哲の繋がりか? そして世紀末に作られた最高のメロウグルーヴ◎⑨「Let’s boogie night」心地よく刻まれるカッティングと時折入るハイハットにストリングスとフルートが華を添える。あいつもこいつも横揺れ必至の手拍子必須!さぁ、恥ずかしがってないで大好きな仲間達と、夜開けまでブギーを踊ろうよ!!…オレ、大丈夫か?うん、まだ、ダイジョウブ。普通のボサノバで静かに締め、と思ったらラストでサンバ調に一気にギアチェンジする○⑩「Caminho do mar」でグルーヴィーな大団円。「これが、渋谷系だーっ!!」

【D.S.M.R】