NO END SUMMER

NO END SUMMER

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藤丸バンド

2017-06-03

キャプテンひろ(つのだひろ)&スペース・バンドを経て、西城秀樹のバック・バンドでバンマスを務めていた芳野藤丸が、グループを率いて発表したアルバム。メンバーは秀樹バンドそのままで、実質的には藤丸の初リーダー作品といえる。ロック、ポップ、ソウル、ファンク、フュージョン、ジャズ、ボサノヴァなどの影響をソフィスティケイトし、かつオリジナリティ溢れるサウンドに仕立てた“名盤”の名にふさわしい珠玉の楽曲集。だからいつ聴いても新鮮な魅力に溢れているし、そのヴァイブレーションは至福の時を与えてくれる。とても美味しいスィーツとお茶を頂く時のような。

オープニングを飾るA①は、ラウンジ感覚いっぱいの魅力的サウダージ。イントロから鳴り出す甘美なサウンドに胸キュン。ここに藤丸さんの艶っぽいギターやダンディーな歌声が乗ると、もう女性なら引き込まれずにはいられない。素敵に抑制を効かせたクール・グルーヴA②でも、やっぱり彼の瑞々しい歌が心に安らぎを運んでくれる。流麗なストリングスや軽やかなエレピ、イントロの若々しいスキャットだってとってもクール。ポップ&ファンキーなB④では、小気味良いホーン・セクションのアンサンブルが聴き逃せないし。当時の藤丸さんは、セルジオ・メンデス&ブラジル66に代表されるA&M〜CTI系のハイブリッドな音に感化されていたそうだけど、その洗練されたクリエイターぶりが、もう圧巻過ぎます。(えこりん・まつい)

 

& 【NO END SUMMER’S CHOICE】

◎A④ 避暑地の出来事 / ◯B③ Don’t Ever Say Good-bye To The Sun